前がん病変とは

 口腔がんには、舌にできる舌がんをはじめ、歯茎にできる歯肉がん、頬の内側にできる頬粘膜(きょうねんまく)がん、舌のさらに下にできる口腔底(こうくうてい)がん、上あごにできる硬口蓋(こうこうがい)がん、唇にできる口唇(こうしん)がんなど、様々な種類があります。これらのなかで、日本人にもっとも多いのは舌がんで、口腔がん全体の約55%を占めています。

 日本では、口腔がんは男性が女性の約2倍で、60~70歳代に多いという特徴があります。発生頻度は全がんの約1%とそれほど高くはありませんが、罹患率、死亡率とも年々増加傾向にあります。

【口腔がんに関係しているといわれているもの】

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 口腔内の不衛生
  • 炎症
  • とがった歯や修復物

【口腔がんの前がん病変とは?】

 お口の中のがんの前がん病変である白板症は、舌や歯肉、頬粘膜などによくみられる白斑状のざらざらした病変で、この病変の約3~14.5%は将来がん化するといわれています。こうした前がん病変(細胞が現状ではがんとはいえないが、将来がんに進行する確率が高い状態)としては、紅色(赤色)のつるっとした病変が特徴の紅斑症(紅色肥厚症)もあります。

 毎日鏡を見ながら歯磨きをするような方だと、少しの違いでも気づくかもしれませんが、そうでない方は歯科医院での定期健診で指摘されることもあるようです。普段から状態を確認することも大切ですね!

舌がんの前がん病変を疑って来院された患者さんのお話はコチラ