2026/10/07

歯科医院には、高血圧や高脂血症などの基礎疾患をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
その中でも今回は糖尿病の方について、知っておいていただきたい内容をお伝えします
実は、血糖値が歯科治療の範囲を決めることがあるからです。
それでは見ていきましょう。
1.血糖値がコントロールされている場合(良好)
✔ 治療は基本的に通常通り可能
HbA1cが 7%前後以下、空腹時血糖が 130mg/dL以下 など、 医科で「コントロール良好」と判断されている場合は、 多くの歯科治療が安全に行えます。
✔ 注意点
- 感染しやすい体質であることは変わらない
- 治癒がやや遅い可能性がある
- 抜歯・歯周外科後の感染予防を丁寧に行う
- 低血糖に注意(特に食事を抜いて来院した場合)
✔ 歯科側の対応
- 術前の血糖状態の確認
- 長時間の治療は避ける
- 低血糖予防のため、治療前に食事の有無を確認
- 必要に応じて医科と連携
2.血糖値がコントロールされていない場合(不良)
✔ 感染・治癒遅延のリスクが大幅に上昇
HbA1c 8%以上、空腹時血糖 200mg/dL以上 などの場合は、 以下のリスクが高くなります。
- 抜歯後の感染・骨髄炎
- 歯周病の急速な悪化
- 創傷治癒の遅延
- 術後の合併症
- 低血糖・高血糖の発作
✔ 歯科治療の方針
- 侵襲的治療(抜歯・歯周外科・インプラント)は原則延期
- まずは 感染源の除去(スケーリング・根面清掃)
- 必要に応じて 抗菌薬の慎重な使用
- 医科主治医と連携し、血糖改善後に外科処置を検討
✔ 特に注意すべき点
- インプラントは高リスク(周囲炎・治癒不良)
- 抜歯後のドライソケット・感染が起こりやすい
- 歯周病が進行しやすく、治療効果が出にくい
3.低血糖への注意(良好・不良どちらも重要)
歯科治療中に起こりやすいのが 低血糖。
✔ リスクが高い状況
- 食事を抜いて来院
- インスリン・SU薬を使用している
- 長時間の治療
- 緊張・ストレスで交感神経が乱れる
✔ 歯科側の対応
- 受診前の食事確認
- 低血糖時の対応(ブドウ糖・ジュースの準備)
- 倦怠感・冷汗・震えなどの症状に注意
4.問診で病歴・服薬・通院状況を申告してもらうことの重要性
糖尿病患者さんは、申告内容が治療の安全性に直結します。
✔ なぜ申告が重要なのか
- 血糖状態によって治療内容が変わる
- 抜歯や外科処置の可否が決まる
- 低血糖のリスクを把握できる
- 薬の種類(インスリン・経口薬)で注意点が変わる
- 医科との連携が必要な場合がある
✔ 歯科医院が知りたい情報
- 糖尿病の種類(1型・2型)
- HbA1cの最新値
- 服薬内容(インスリン・メトホルミン・SU薬など)
- 通院中の医療機関
- 合併症の有無(腎症・神経障害・心疾患)
- 低血糖の既往
- 最近の体調変化
糖尿病の状態によって、できる治療と注意点が変わります。 安全に治療するために、服薬や通院状況を正確に教えてください。
血糖が安定していれば多くの治療が可能ですが、 コントロールが悪い場合は感染や治癒遅延のリスクが高く、 外科処置は避けることがあります。 安全な治療のために、病歴・服薬・通院状況の申告がとても大切です。
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もっと糖尿病のことを知りたい⇒日本糖尿病学会
