なぜ八重歯を治すのに犬歯を抜かないのか

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八重歯はもてはやされることもありますが、鬼歯と呼ばれることもある牙のような見た目の不正咬合です。患者さんによっては、この八重歯のせいで口の中を傷つけたり、笑った時に歯に唇が引っかかって戻りづらかったりと困ることも多いそうです。

 

八重歯の治療では基本的に歯を抜きますが、患者さんから質問されたことがあります。

「どうして飛び出ているこの八重歯を抜かないんですか?その方が早く治るでしょう?」

確かに!そう思っても不思議ではありませんね。しかし、矯正歯科医であれば余程の理由がないかぎりは八重歯、つまり犬歯は抜きません。

 犬歯の役割として、一般的には

  1. 食べ物を切り裂く
  2. 顎を動かすガイドになる
  3. 顔の形を整える
  4. 歯根が長いため、一番最後まで抜けずに残りやすい

等が挙げられます。また、笑った時に歯の形が1番目から3番目まで異なっているため、犬歯を抜いてしまうと少し不自然な印象を受けやすいです。

 

 確かに、デコボコして飛び出ているところを抜いてしまえば、今までの歯並びの悪さは目立たなくなると思います。しかし、犬歯を抜くことでその後の歯並びの安定性や、顔のバランス、ひいては咬合・咀嚼、入れ歯になってしまった時の安定性を失うことになるかもしれません。ですから、十分に分析した後に犬歯を抜くという診断が出ない限りは抜歯の対象にしません。歯を抜く場所の決定にも、理由があるんですね。

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