2022/01/02
マウスピース矯正が皆様に知られるようになってきましたが、それでもまだまだ分からないことが多いと思います。
先日、矯正相談にいらした方の保護者から
「矯正装置は夜寝ているときだけ着けていれば良いですか?」
とのご質問を頂戴しました。皆さんは、どう思われますか?
矯正治療でワイヤーと同じような効果を得ようと思えば、ワイヤー矯正がどのように歯に力を加えているかを考えればおのずと分かると思います。
ワイヤーによる矯正治療は、歯にブラケットと呼ばれる小さな装置を接着して、そこにワイヤーを通し、結紮(結びつけること)をします。ワイヤーの金属の柔らかさや弾性で24時間ずっと持続的な弱い力を加えることで、歯を少しずつ動かしていくのです。月に一度のワイヤーの調整では、新しいワイヤーに交換したり、歪みを治したり、太いワイヤーや硬いワイヤーに替えたりします。つまり、一か月間ずっと歯に装置は着きっぱなし!
マウスピース矯正はというと、好きな時に取り外せますが、装置がきちんと嵌っている時しかその矯正力は発揮されません。これは、他の可撤装置と呼ばれる取り外し可能な装置全般に言えることです。ですから、結論から言えば、寝ている間だけの装着では歯並びを治すのは難しいです。期間を長く設ければ少しずつ動くかもしれませんが、ワイヤー矯正にかかる期間と同程度で矯正治療を終わらせたい場合は装着時間をほぼ一日中にするしかありません。自己判断はせずに、専門家の指示した通りの時間を守りましょう。