後戻りについて(叢生) | 佐野歯科・矯正歯科医院

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今回は歯に凸凹が多い「叢生」について、後戻りの起こりやすさや原因を見ていきましょう。

叢生が後戻りを起こしやすいケース】

歯列弓がもともと狭い(Narrow arch)

  • 上下顎の歯列弓幅(顎のアーチ)が小さい
  • 歯槽基盤(歯が生える部分の顎の骨)が狭く、歯が並ぶスペースが不足
  • 拡大量が大きい治療を行ったケース

→ 生体は“元の狭い形”に戻ろうとするため、後戻りしやすい。

歯のサイズが大きい(Bolton discrepancy)

  • Bolton比が大きい(歯のサイズの)
  • 歯冠幅径が大きく、スペース不足が慢性的
  • 歯列の中で「押し合い」が起こりやすい

→ 並べても、わずかな力で再び重なりやすい。

非抜歯で無理に並べたケース(スペース不足のまま排列)

  • 歯のサイズを少しだけ調整することのみで無理にスペースを作った
  • 歯列弓を過度に拡大した
  • 歯根の位置が歯槽骨の外側に近い

→ 歯槽骨の“許容範囲”を超えると、元の位置に戻ろうとする。

舌癖・口唇癖がある(Tongue thrust / Lip habit)

  • が低位で、前歯を押しやすい
  • 口唇圧が強く、前歯を内側に押し込む
  • 嚥下時に舌が前歯を押す

→ 歯列のバランスが崩れ、叢生方向に力が働きやすい。

口呼吸(Mouth breathing)

  • 舌が低位になり、歯列の内側からの支えが弱い
  • 口唇閉鎖力が弱く、歯列が不安定
  • 歯肉炎で支持組織が弱くなる

→ 歯列が外側に広がらず、叢生方向に戻りやすい。

歯根の平行性が不十分(Root parallelism不足)

  • スペース閉鎖後に歯根が傾斜している
  • 歯冠だけ整っていて、歯根が整列していない
  • 歯根膜の緊張が残る

→ 歯根が元の方向に戻ろうとし、叢生が再発しやすい。

成長期の治療で、顎の成長方向が不利だったケース

  • 下顎が狭く成長
  • 上顎が前方成長し、スペース不足が再発
  • 思春期成長で歯列弓が変形

→ 成長による“自然な変化”で叢生が戻りやすい。

保定装置の使用が不十分

  • 保定装置の使用が不安定
  • リテーナーが合わなくなっても放置
  • 固定式保定を早期に除去

→ 叢生は特に“保定の質”が結果を左右する。

◎特に注意すべきポイント

歯列弓幅の評価(特に下顎)

狭い下顎は叢生後戻りの最大リスク。

舌の安静位(スポットに乗っているか)

低位舌は叢生再発の強力な因子。

IPR量と歯根の位置

IPR過多や歯根の皮質骨接近は後戻りしやすい。

歯根の平行性(レントゲンで必ず確認)

歯冠だけ整っているケースは要注意。

だからこそ、保定と習癖改善がとても大切です。

矯正治療についてのQ&A(日本矯正歯科学会)