フレイルってなんだろう?③

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今日は、フレイルの治療と予防についてお話しします。

【フレイルの治療】

・骨格筋量の低下に対しては筋肉に負荷をかける運動をする

・低栄養に対しては十分な栄養を摂取する

 *特に、タンパク質が重要。

少し専門的な話になりますが、フレイルの主な原因にサルコペニア(加齢による骨格筋量の低下)と低栄養があげられます。サルコペニア対策にはタンパク質を十分に摂取する必要があります。筋肉に負荷をかける運動も、筋肉でのタンパク合成を促します。筋肉をつくるためにタンパク質の合成を促すには十分なエネルギー摂取も必要です。フレイル対策には筋肉の他に骨の維持も重要であり、カルシウムやビタミンDも積極に摂りたい栄養素です。

患者さん自身で対応できるのは、まず食事内容です。様々な栄養素と、タンパク質をしっかり取れるようなバランスの取れたメニューにしてください。日々の運動も大事です。

【フレイルの予防】

・持病がある場合はそれらの治療をする

・日頃から運動をする

糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形外科的疾患などの持病がある場合には、それらのコントロールをすることが必要です。フレイルの筋力低下には、運動療法が有効ですが、持病のコントロールがされていないと患者さんは体を動かすという気持ちになれないこともあります。また、持病の治療がうまくいっていないとフレイルを悪化させてしまう可能性もあります。

運動療法は、その人にあった運動強度で無理せず続けましょう。「フレイル」「運動療法」で検索すると、簡単な運動がいくつか見つかります。運動に合わせて栄養面もチェックしましょう。食事のバランスが取れていないと、運動するための筋肉もつきません。

高齢者の場合、免疫力が低下していることが多いためインフルエンザや肺炎にかかりやすいといわれています。インフルエンザや肺炎をきっかけに、重症化して入院、そして寝たきりになってしまうこともあります。日頃から適度な運動やバランスのよい食事などにより感染症に強い体作りをするだけでなく、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種しておくのもフレイルを予防する1つの方法といえます。

フレイルが何か、どんなふうに予防したら良いのか、お判りいただけたでしょうか?楽しい人生を過ごすための参考になれば幸いです。歯科の分野は、食事の面のサポートをすることになります。入れ歯が合わない、発音が不明瞭になったなど、食事や日常生活で口に関する不具合はお近くの歯医者さんへどうぞ。


佐野歯科・矯正歯科医院
副院長 関川 奈都貴

~プロフィール~

2005年 日本歯科大学 新潟歯学部卒業

2005年4月~2015年3月 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科矯正学講座 勤務

2015年4月 佐野歯科医院 勤務

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