ウイルス性肝炎と歯科治療②

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前回はウイルス性肝炎と歯科医院との関係について触れましたね。今回はその詳細についてお話しします。

ウイルス性肝炎患者さんの歯科治療ですが、注意しなければならないことがあります。

 

【ウイルス性肝炎患者さんの注意点】

1)スタンダードプリコーションの徹底

2)出血傾向への配慮

3)食道静脈瘤に対する配慮

4)創傷治癒の遅延

5)投薬

 

医療の現場はスタンダードプリコーションが基本です。これは日本語に訳すと「標準予防策」という言葉で、感染症の有無に関わらず、すべての人に対して血液・体液、汗を除く分泌物、排泄物、損傷した皮膚、粘膜などの湿性生体物質は感染の可能性があるとみなして対応する方法のことです(この“すべての人”には歯科医師や衛生士なども勿論含まれます)。ウイルス性肝炎は血液を介して感染するため、その場にいる人に感染の危険性があるわけです。また、使用した器具を適切に滅菌する必要もあります。

出血傾向は、主として肝機能の低下により止血困難になるケースがあります。処置前に最新の血液検査のデータを確認する必要があります。

肝硬変がある場合は食道静脈瘤を併発することがあります。歯科治療によるストレスで静脈瘤が破裂するおそれもあるため、内科の主治医と連携する必要があります。

また、肝機能の低下により創傷治癒の遅延が起こります。傷の治りが遅いため、抜歯などの外科的処置をおこなった際は、その後の傷口の感染も注意が必要です。

肝機能が低下すると使用できるお薬も変わってきます。肝臓への負担を軽くするため、お薬の種類にも注意が必要です。

 

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